注文した大量のアルコールが届くまでの5分間はまるで永久のように長く感じた。
いや、それは少し大袈裟だったか。

とにかく部屋のチャイムが鳴りドアが閉まるのを確認したあとは、急いで玄関に無造作に置かれたビールを両手で抱え、蓋を開けては便器へと流し込んだ。

酒好きの僕としてはこの行為に何ともやるせない気持ちが心のどこかにあるのも確かだが、今これを自分一人で飲むわけにもいかず、泣く泣く全てのビールを流し終える。

ちょうど空になった缶を机に乱暴に置いていた時だった。

最近流行りのアイドルの曲だろうか。
それとも韓国人グループのものだっただろうか。
思い出す事は出来ないがテレビでよく聞く曲が部屋にこだました。