「気をつけて帰るんだよ。
 …最近、この辺りに新しい反幕府グループができたらしいからね」

「大丈夫だよ~、お父さんは心配性だなぁ」

「いや、心配性とかじゃなくてね、父親は娘が心配なものなんだよ…。
 奏に何かあったらどうしようかと考えると、
 お父さんは不安で不安で堪らなくてね…」

「また出たよ、お父さんの過保護。大丈夫だってば!」

「あぁ、お父さん不安になってきた…。
 そうだ、義龍君に頼んで送って貰おうか?!」

「だからいいってば…。義龍に迷惑でしょ」

「いや、決めた!お父さんは決めたぞ!
 奏は義龍君に送ってもらうんだー!!!」

「だからいいってば!
 …あぁ、言ってる傍から義龍探しに行ってるし!」

急いでお父さんを追いかけたけど、もういない…。

こういう時だけは足が早いんだから……。