城。
と、呼ばれるにはあまりに無防備な城。
防御のことは一切考えていない。
考えられているのは一つ、もちろん外見。
とにかく可愛い。
基本的にピンクで彩られながらも、飽きることの無い形、アクセントでつけられる彩色。
戦争の概念すらない世界ならではのデザインの城である。
ぶっちゃければ城ではないのだが…。
そんな城に来た店長。
アルバイト君はお留守番。
1人でお使いに来た店長は、見惚れていた。
「あの…？」
そんな店長に、1人の女性が話しかける。
「ふぁ？はい！女王様に呼ばれてきました！！」
抜けていた魂が、帰ってきた。
この女性も、女王に呼ばれたということ。
そして、女王の前。
「店長さんにマホさん♪ご苦労さんです♪」
正確には幼女とか王女だろ？
女王って言われたら大人想像しちゃってたじゃないか！！
店長は見惚れないように気張っって、
「いえいえ、そんな苦労でもありません。良いもの見させて貰いましたし…。デュフフ…。」
思わずクソ気持ち悪い笑みがこぼれる店長。
良いものとは、城などの可愛いもののことである。
「女王様、りっくんがどうかいたしましたので？」
マホさん、と呼ばれた女性が尋ねる。
もちろん彼女も可愛い。魔法使いだ。
「死に掛けになってる♪」
笑ってんじゃねぇよっ！！
心にとどめる店長。
このあとの話をまとめると、死に掛けのペットのりっくんを助けるために協力してほしいとのこと。
協力すれば、店長のお店に出資して店舗拡大、チェーン展開してくれる契約。
マホさんは、なにやら魔法の杖的なものをもらうらしい。
快諾した店長は、マホさんと共に旅の支度を始めた。