しばらくそこから目が離せずにいたわたしの目に留まった背番号。



22番。




彼はグラウンドの隅っこでただひたすら走り込みをしているグループの中にいた。50メートルほどの間隔で置かれたコーンの間をずっと走りつづけていた。




遠かったから顔なんて全然見えなかったけど、わたしにはグラウンドにいる誰よりも“22番の彼”がかっこよくみえた。



不思議なことに、彼を見ているとわたしのどん底も、少しだけ晴れたような気がした。



彼が汗をTシャツで拭うたび、


本気で生きろよ!




そう言われている気がしてならなかった。