それからの事はほとんど覚えていないが、気がつくと私は自分の部屋のベッドで寝ていた。

何もする気がおきない。

あの男の手や舌の不快な感覚がまだ残っているような気がした。

私はノロノロと起き上がりシャワーを浴びた。

忌まわしい感触を消したい一心で皮膚がすり切れるほど力を入れて体を洗う。

ずいぶん長い時間をかけてシャワーを終え、部屋に戻ると心配そうな顔をした紗英がいた。