「・・・っ、・・・何するのっ!」

「何ってキス。ちょっとやりすぎたけど。」

彼は悪びれもせず、飄々と答える。

「なんで?こんなことしたの・・・・・?」

「なんとなく、その気の強そうな目を見てたらイジメたくなってさ。」

彼は唇の端を上げフッと笑った。

「ひどい・・・・。」

私はブラウスのボタンを留め直し教室を出た。

気がつけば5時間目の開始を知らせるチャイムが鳴っていて、私は走って特別教室棟を出た。

走る私の目からは涙が一筋こぼれ落ちた。