その日は、浩人のバイトが早く終わるというので、私は浩人の家でご飯を作って帰りを待っていた。

玄関のチャイムが鳴り、浩人が帰ってきたのだと思いドアをあけると、そこにいたのは派手な化粧をした30代半ば位の女の人だった。

「あら?あなたヒロの彼女?ヒロはいないの?」

ドアの隙間から中をのぞき込むようにして女は言った。

「あの、どなたですか?浩人は今いませんけど。」

「私はヒロの母親よ。血はつながってないけどね。ちょっとヒロが帰ってくるまで待たせてもらうわ。」

女はズカズカと家の中に入り込んだ。