コウ★ side


オレとローが駅のバス停まで歩いていた所、見覚えのある後姿が見えたので声を掛けた。


思った通り彼女は振り返って、明るく笑うとオレ達の方へ駆け寄ってきた。


この雲ひとつ無い晴れ渡った笑顔がオレは好きだ。


そのまま3人並んで帰っていると、勉強の話が出てきた。


セーラはどうやらテストが心配らしい。


すると無意識に口が開いた。


「オレでいいなら教えてやろうか?」


・・・・・?


オレ・・・何て言ったんだ?


"オレが"・・・・・って・・・・。


しまった・・・口が滑った。


こんなのメチャクチャ誘ってるじゃないか。


それより目の前の彼女は目を輝かせ食い寄ってきた。


おかしい事に気づいてないのか?


まぁ、一安心だ。


オレは記憶の端っこにあった勉強合宿を理由にした。


これならおかしくないだろう。


横でニヤリと面白そうに笑ってる奴はこの際ほっておこう。