そうだよね。今日始めてちゃんと会話した人にクッキー急に渡されても食べたくないよね。
あっ、気を遣わしちゃう。
私は笑いながら、
『大丈夫。いらなかったら私食べるし!それに、あっ・・・・・・。』
私の手が軽くなった。
クッキーが私の手から離れていく・・。
リュウ君が私の顔の前にクッキーを出して、
「誰も食べないなんて言ってないでしょーが!勝手にしまうな!」
少し拗ねたように言った彼は、ニカッと笑うと私の目の前で袋を開けた。
その中から星型のクッキーを取り出すと、口に入れた。
リュウ君の行動を見ていた私は、呆気にとられた・・・。
食べてくれるの?
胸の中がじんわりと、熱くなる。
そうだ・・・味はどうかな・・・
彼をジーっと見る。
彼は一瞬驚いた顔になると、
「やっべ・・なにこれ・・・・。」
やっぱり・・・、ダメだったかぁ・・・。
「メッチャうまいじゃん!!」
え?
今なんて?
リュウ君は袋から次々とクッキーを取り出して口に入れていく。
あっという間にクッキーは袋の中から姿を消した。
