参考書を広げて問題を解いていきだした時、隣から声をかけられた。
「ゴメン!シャーペン忘れちまったから貸して!」
と、小声で伝えてきた。
『いいよ。ペンケースから好きなの取って。』
そう言って目の前に置いてあったペンケースを彼に渡した。
すると隣からガチャガチャとシャーペン同士が擦れ合う音がしだした。
真剣に選んでいる彼の姿がなんだか、玩具を1つだけと宣言されて一生懸命絞ろうと頑張っている子供のようでついつい口が緩んでしまう。
そして問題を解こうとペンを走らせると、ピタリと音が止んだ。
でもなかなかペンケースを返してくれない事に気づき、手を動かしていたのを止めて、彼の方へ向いた。
リュウ君はペンケースを見ながら目を丸くしている。
『リュウ君どうしたの?』
おかしな様子だったので声をかけてみると、我に返ったのか、
「ありがとう!」
そういい残して私があげたノートの問題をいそいそと解き始めた。
・・・・?
どうかしたのかな?
彼らしくない反応に不思議を感じていた時、肩を叩かれた。
「終わったのか?」
コウ君の言葉を聞き。自分が問題を解いている途中だった事を思い出してペンを走らせた。
