「じゃあ、15分、休憩!」
先生の声に、ほっと息を吐く。
部屋を出て、自動販売機で『生露お茶』を買った。私は、これが大好きだ。
「はあ~・・・ソファーフカフカ・・・」
誰もいないこの空間。ここは、人の通りが少ないから、ソファーに寝転んだ。
「ああ・・・ねむ・・・」
ウトウト・・・
「おい」
!!
「瑠唯さん!?」
ガバッと体を起こし、座りなおす。
「あの、ここ。どうぞ、ここ使って下さい」
立とうとしたけど、
「いい」
短く答えた。
「・・・」
し~んとした。
「おい、歌え」
「えっ!?」
突然言われても戸惑う・・・
「風」だ。」
「はい・・・」
すうっと息を吸い込む。
「~♪」
ふう・・・
「あの・・・?」
瑠唯さんは下を向いたまま、何も言わない。
「じゃあ・・・」
戻ろうとした。その時、
バタンッ。
「!?・・・瑠唯さんっ!」
倒れこむ瑠唯さんを支えた。
「瑠唯さん!しっかり!」
どうしよう・・・どうしよう・・・!!
「ヒューヒュー」
風が吹くような音。これは・・・
『呼吸困難』
「あっ・・・・がっ・・・」
苦しそう!!どうしよう・・・
「誰か!誰かいませんか!?誰か・・・」
だめだ。このままじゃ・・・
「すみません。」
瑠唯さんの唯一の呼吸場所を私の口で押さえた。
「ふっ・・・はあっ・・・」
お願い・・・お願い・・・
「うっ・・・」
!!
「瑠唯さん!しっかり!瑠唯さん!」
「ふっ・・・はっ・・・・」
人工呼吸を続けた。すると・・・
「はあ・・・はあ・・・俺・・・」
うつろな目で私を見た。
「良かった・・・良かった・・・」
私の涙が瑠唯さんの目や、頬に落ちた。
「な・・・んで、泣いて・・・」
そこで、薫さんが来た。