「えっ。サクラと二人でバラエティ番組?」
「そう。ほんとは、瑠唯クンもだったんだけど、あれじゃあちょっと無理だから・・・」
「はあ」
俺、薫はサクラと話しをあまりしない。なんというか、話しにくい・・・
「薫さん?どうしたんですか?」
気付くと、目の前にサクラがいた。
「わっ!っと、何でも・・・・」
変だな。女なんて何十人も付き合ってきたのに・・・
「そうですか。あの、もう行かないと・・・」
バラエティ番組の収録・・・
「あのさ、サクラって、何歳?」
「え・・・16ですけど・・・」
なんだ。
「同い年じゃん。なら、敬語やめろよ。グループだし、堅苦しいだろ?」
「あっ・・・ハイ。じゃなくて、う・・・ん」
サクラは・・・なんか可愛い。今のとか、なんか、繊細?
「それでは始まりました!今日のクイズーノ!スペシャルゲストは・・・KARAN☆の
ニノ島薫さんと、先週加入した、桜音サクラさんです!」
わあああ・・・サクラは初のバラエティで緊張している。
「それでは、クイズの説明です・・・」
ん?クイズーノ?クイズ―ノって、超難問のクイズが出るやつじゃん!
「なお、ゲストの方達にも10問ずつ答えてもらい、一番正解数が少ない二人組には、
超・熱湯風呂に入って頂きます!」
グツグツグツ・・・
こんなのに入ったら、間違いなく死ぬじゃねえか!!
「では、ペアの一番の方・・・」
あ、サクラと一緒じゃん。もしかしたら、俺達がビリなんじゃ・・・
「サクラ・・・」
ボソっと呟くと、サクラが強気な笑みを浮かべた。
「大丈夫。私に任せて!」
・・・?
「それでは、薫&サクラさんチーム!前にどうぞ!」
ああ~・・・遂にきた。こんな時、瑠唯がいてくれたら・・・
「第一問!・・・・」
あ、何言ってるかも分からん。
ふいにサクラを見ると、
「っ!正解です!」
は?この問題、大学生レベルだぞ?間違いじゃないか?
「正解!」
「またもや正解!」
「またまた正解!」
す・・・げえ。サクラってまさか・・・
「薫&サクラチーム、なんと全問正解です!」
超・頭いい?
「お疲れ様でした~」
「サクラさん!すごい。頭いい!」
「まさか、答え見てたとか?」
サクラがそんなこと・・・
「まさか。じゃあ、試しに問題、出して下さい」
「じゃあ、~は?」
「~です」
「正解・・・」
すげえ。超すげえ。まじすげえ。
「サクラ!!」
控室で、大声を出してしまった。
「・・・なに?」
「おまえって、頭いいんだな!」
「そんなこと・・・」
恥ずかしそうに口元を押さえる。
「そんなことあるって!クラスでも頭いいだろ??」
口元をさらに抑えて彼女は言った。
「・・・・一番くらい」
「すっげえ!!」
顔を赤め、口元を押さえる。癖なんだ。
「俺、サクラの事気にいった!」
・・・そう。これが、あの嵐の始まりだった。