「だが、よい名だろう?」
「だから、困るんじゃないですか…。」
複雑そうな顔をしながら笑う望美に、リズヴァーンが楽しそうな瞳を向けた。
「九郎に、また名を考えてもらうように頼んだ。」
「あっ、本当ですか?」
「あぁ。手紙をしたためたが、梶原邸であったときに了承した旨を聞いた。」
「良かった。セヴィのとき、男の子でつけること出来なかったでしょう?今回は断られるかと思ってました。」
「また、自分でよいのかと、問われた。」
その言葉を聞いて、望美がクスクスと笑い出した。
「九郎さんだから、お願いしてるのに…。」
「ならば、今回はどちらが生まれても、九郎につけてもらえばよかろう?」
「え~。駄目ですよ。男の子だったらリッパに先生の跡継ぎですもん。そうなったら、やっぱりビスクールに…。」
そこまで言って、望美は複雑そうな顔をする。
そんな望美に、リズヴァーンが苦笑した。
「私は気にせぬが?」
「私は気にします。ちゃんとセヴィみたいに、鬼としての矜持は持ってもらいたいもの。」
「その能力が無くても、か?」
「そうですよ。この子が私似の子でも、男の子だったら鬼として育てます。」
自分の腹に視線を落としながら、望美はきっぱりと言い切る。
リズヴァーンはそんな望美を見ながら、優しく笑んだ。
「どちらにせよ、無事に生まれることを願おう。」
「どっちにしても、可愛い子ですよ。間違いなく。」
望美はニコッと笑って、リズヴァーンの青い瞳を見つめる。
リズヴァーンは優しく笑い、望美へと顔を寄せた。
「やはり、お前似の子がよい。きっと、愛らしかろう。」
息がかかるその距離で、リズヴァーンが愛おしそうに、望美に囁く。
望美はクスクス笑いながら、まるで秘密ごとを話すように、囁きかけた。
「セヴィも、先生に似て、可愛いですよ。」
「私に似て、可愛いのか?」
望美は楽しそうに笑いながら、リズヴァーンにゆっくりと口付ける。
リズヴァーンはなすままに、しあわせをその身に受けた。
望美を抱きリズヴァーンが部屋へ戻るころ。
二人を見守っていた月が雲間に隠れ、遠くで、ふくろうの声が微かに聞えた。
「だから、困るんじゃないですか…。」
複雑そうな顔をしながら笑う望美に、リズヴァーンが楽しそうな瞳を向けた。
「九郎に、また名を考えてもらうように頼んだ。」
「あっ、本当ですか?」
「あぁ。手紙をしたためたが、梶原邸であったときに了承した旨を聞いた。」
「良かった。セヴィのとき、男の子でつけること出来なかったでしょう?今回は断られるかと思ってました。」
「また、自分でよいのかと、問われた。」
その言葉を聞いて、望美がクスクスと笑い出した。
「九郎さんだから、お願いしてるのに…。」
「ならば、今回はどちらが生まれても、九郎につけてもらえばよかろう?」
「え~。駄目ですよ。男の子だったらリッパに先生の跡継ぎですもん。そうなったら、やっぱりビスクールに…。」
そこまで言って、望美は複雑そうな顔をする。
そんな望美に、リズヴァーンが苦笑した。
「私は気にせぬが?」
「私は気にします。ちゃんとセヴィみたいに、鬼としての矜持は持ってもらいたいもの。」
「その能力が無くても、か?」
「そうですよ。この子が私似の子でも、男の子だったら鬼として育てます。」
自分の腹に視線を落としながら、望美はきっぱりと言い切る。
リズヴァーンはそんな望美を見ながら、優しく笑んだ。
「どちらにせよ、無事に生まれることを願おう。」
「どっちにしても、可愛い子ですよ。間違いなく。」
望美はニコッと笑って、リズヴァーンの青い瞳を見つめる。
リズヴァーンは優しく笑い、望美へと顔を寄せた。
「やはり、お前似の子がよい。きっと、愛らしかろう。」
息がかかるその距離で、リズヴァーンが愛おしそうに、望美に囁く。
望美はクスクス笑いながら、まるで秘密ごとを話すように、囁きかけた。
「セヴィも、先生に似て、可愛いですよ。」
「私に似て、可愛いのか?」
望美は楽しそうに笑いながら、リズヴァーンにゆっくりと口付ける。
リズヴァーンはなすままに、しあわせをその身に受けた。
望美を抱きリズヴァーンが部屋へ戻るころ。
二人を見守っていた月が雲間に隠れ、遠くで、ふくろうの声が微かに聞えた。

