リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-

おまけ→


セヴィロスが寝静まったころ。

リズヴァーンと望美は、いつものように縁側に出て、ゆっくりと夜空を眺める。

少し雲の出ている夜空には、満月に満たない月が、仄かな明かりを放っていた。

リズヴァーンは望美の体が冷えないように、膝に乗せ、後ろから優しく抱き締める。

そして、その大きな手を、膨らみ始めた子を宿す場所に添えていた。

「腹の子は、どちらに似るのであろう…。」

何気なく呟かれた言葉に、望美はリズヴァーンの手に自分の手を添えながら、小さく笑う。

「私は先生に似た女の子がいいなぁ…。」

「私に似た…?」

想像をしてしまったのか、複雑そうな声で呟くリズヴァーンに望美は重ねて、言葉を紡いだ。

「そうですよ。ふわふわした髪をして、お人形みたいな女の子。きっと可愛いだろうなぁ…。」

楽しそうな声を出しながら、想像の羽を広げる望美に、リズヴァーンは小さく笑う。

「セヴィロスを宿したときも、同じコトを言っていた。」

「そうですよ。セヴィだって、ものすごく可愛いじゃないですか。女の子だったら、もっと可愛いですよ?」

ニコニコと笑いながら話す望美に、リズヴァーンが優しく笑む。

そして、その耳元に顔をよせ、そっと囁いた。

「私はお前似の子がいい。」

低く心地のよい声に、望美は仄かに頬を染めながらも、ふっと笑いながら顔をリズヴァーンに向ける。

「男の子でも?」

「どちらでも。さぞ、愛らしい子だろう。」

そう言うとリズヴァーンは優しく望美の額に口付けを落とした。

「…でも、男の子だったら、また、ビスクールが名前をつけるんでしょう?」

口付けを受けながらも、望美はどこか不服そうに呟く。

「お前は厭うか?」

「ん~。鬼の名前をつけるのは賛成だけど、ビスクールがつけるのはなんかムカつきます。」

そのはっきりとした言葉に、リズヴァーンは苦笑を零した。

「天敵に名を付けられたくはないか。」

「だって、セヴィの名前をつけた時だって、私を見てふふんって笑ったんですよ?も~、あの時は本当に腹立ちました。」

そのときを思い出したのか、望美の頬がぷっと膨らむ。

その愛らしい様子に、リズヴァーンの目元が緩んだ。

「だが、首領につけてもらえるのは、光栄なことなのだ。」

「…それでも、ビスクールはムカつく…。セヴィが可愛いから余計に複雑です。」