リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-

「セヴィロス。それは無理だぞ。」

「何故ですか?」

「先生が望美に甘いのは、今に始まったことではない。」

「そうですね。今更、それが治るとも思いませんね。」

九郎と、弁慶のはっきりとした物言いに、リズヴァーンは苦笑し、望美はぽっと頬を染める。

そして、セヴィロスは大きくため息をついた。

「父上、皆様にこうも言われて、何も思わないのですか?」

セヴィロスはリズヴァーンに向かい、呆れたような声を出す。

「それが事実なのだ。それを知る私が何を言える?」

「ですが、もう少し、外聞を考えられてはいかがでしょう?」

それを聞き、リズヴァーンはふっと笑い、視線を望美に移した。

「外聞など、望美を手に入れたときに、とうに棄てた。だから、望美がここにいるのだ。」

どこか懐かしそうな目で、愛おしそうに見つめられ、望美は頬を染めながらも、ニコッと笑う。

「おかげで、しあわせな日を過ごさせてもらってます。」

「そうか。」

うれしそうに答えるリズヴァーンに、望美はしあわせそうな笑みを浮かべた。

「はい。しあわせです。」

そんな二人を、暖かな目で見守る九郎と弁慶がいる。

セヴィロスは、その和やかな雰囲気を味わいなががらも、心の中で呟いた。

『父上が棄てたのは、外聞ではなく羞恥ではないのか…?』と。

親しい人たちの前でも、変わることなく母を愛おしそうに見つめる父と。

少女のように頬を染めながらも、うれしそうな笑みを浮かべ、それを受け入れる母を見て。

セヴィロスは、複雑な気持ちを抱え、両親を眺めるのであった。