リズ×神子2-お前がそう望むのであれば-

きっぱりと言い切るセヴィロスに、リズヴァーンは苦笑しながら、望美を振り返る。

望美もリズヴァーンを見て、楽しそうに笑った。

「何故、笑うのですか!?」

セヴィロスは両親を見て、少しだけ怒ったような声を出す。

そんなセヴィロスを、望美はどこか懐かしそうな目で、見つめ返した。

「だって、セヴィってば先生と同じコトを言うんだもん。」

「え…?」

「この会話、丸々同じコトを、10年前にもしたのよ。セヴィがお腹にいるときに、ね。」

クスクス笑いながら望美が言えば、セヴィロスが驚いたようにリズヴァーンを見つめる。

「本当ですか?父上。」

「そうだ。」

苦笑しながら、リズヴァーンが答えた。
「やっぱり親子だね。セヴィは先生そっくり。」

楽しそうに望美がリズヴァーンを見上げる。

「優しくて、心配性で、口うるさいの。」

「それだけ、お前を想っているのだ。知っておきなさい。」

リズヴァーンがそっと手を伸ばし、望美の頭に手を乗せる。

そして、ゆっくりとその花色の髪を撫でた。

望美はうれしそうに笑みを浮かべ、黙ってリズヴァーンに身を預ける。

「セヴィロス。お前はお前の思うままにしなさい。」

リズヴァーンは望美の頭を愛おしそうに撫でながら、セヴィロスに視線を向け言葉を紡いだ。

「父上…。」

「どれだけ言葉をかけても、望美を止めは出来ぬだろう。だが、その想いは伝わる。」

「…想い、ですか?」

「そうだ。お前がどれだけ母を想い、腹の子を想っているのかは、その両方に伝わるのだ。」

「お腹の子にもですか!?」