すべての始末を終え、ゆっくりと望美の横に体を横たえた。

汗をかいた望美の体を冷やさないように、その胸元まで、布団をかける。

そして、腕を伸ばし、望美の額に汗で張り付く前髪を、軽く梳くと、仄かな明かりの中、どこか幼いような顔が現れ、私は小さく笑んだ。

「……私は、酷い男なのだろうか……?」

いや、誰に尋ねることもなく、確実に酷い男なのだろう。

一回り以上、年下の少女を組み敷き、思うままに、己の欲望を晒すのだ。

意識を霞ませるほどの快楽に、望美を沈めてしまう己は、ろくでもないと思う。

いくら、合意があろうが、想いがあろうが、この小さき体に無体を強いているのは否めないだろう。

誰よりも愛おしく、それこそ柔らかなもので包んで、大切に閉じ込めておきたくなるほど、愛しい少女。

なのに、一番、無体を働くのも、己なのだ。

「……だが、私には、お前しかいないのだ……。」

これほどまでに、欲情するのも、愛おしく胸を詰らせるのも、ただ一人、望美だけなのだ。

これほどまでに、幸福感と満足感を与えてくれる存在は、望美以外にない。

それがわかるから、大事にしたいとも思うし、優しくしたいとも思うのだが……。

「優しくされているのは、私のほう……か。」

獣と化した私を、そのまま笑って受け止める、望美。

その優しさに、つけこんでいるのが、私、なのだ。

自らを呆れるように苦笑し、その額に口付けを落とすと、望美の体がかすかに動いた。

「……せん、せい……?」

少し掠れたような声で、望美が名を呼び、ゆっくりと瞼を開ける。

そのぼんやりとした瞳が、どこか彷徨うように、私を探しているのがわかった。

「――…望美。」

優しく声をかければ、ゆっくりと顔をめぐらせ、翡翠の瞳が私を映す。

「――…よかった……。」

私がいるのを確認して、望美は安心したように、ふわりと笑った。

その笑みに、私も安堵を覚える。

だが、それすら、己のしでかしたことへの許しのように思え、その優しさが心を包んだ。

「……それは、今の行為に満足したということか?」

苦笑しながらからかうように言うと、意味が伝わらないのか、一瞬、望美がきょとんとする。

だが、すぐに思い当たったのか、その顔が真っ赤に染まった。

「なっ!そ、そういうことで、言ったんじゃありません!」