二人の愛し合った日までもが、知られていると、これはもう、羞恥以外の何者でもない。

頭抱えて、すぐさまダッシュで、消え去りたい。

否。

今、ココに逆鱗があったのなら、誰に止められても、時空を遡っているかもしれない。

禁忌だとわかっていても。

愛しい人が、身をもってそれを止めるのは、明らかにわかるのだけど。

そうしてしまいたいぐらい、恥ずかしい!

(白龍め~~~っ!私に何の恨みがあるのよっ!)

宝玉を元に戻すにしたって、時と場合ってものがあるでしょう!?

何も、子供が出来るとわかった日にしなくても、いいじゃないか!!!

そんなものは、こっそりと、誰に知られることなく、妊娠検査薬で知らせてくれ~~~ッ!!!

ってか、マジで勘弁して欲しい!!!

ウチの庭を花だらけにしやがった自分の龍を、今すぐに、ココに呼び出して。

よ~~~っく、自分が何をしたのか、知らしめてやりたいと思っても、当然だろう。

しかも、ちらりと横を窺えば。

衝撃があまりにデカイのか、まったく動こうともしないリズヴァーンがいて。

否。

望美より、ずっと先に知らされたハズの、羞恥の原因が。

口元に手を当てたまま、誰とも視線を合わせようとも、していない。

未だに、そっぽを向いたまま、ピクリとも動こうともしないのだから。

そんなリズヴァーンの姿を見つめて、頭から湯気が出そうなほどの、羞恥に晒されながらも。

望美は深~~~く、心の底から、ため息が出そうになる。

先生のコトは、ものすごく大好きなんだよ……?

何を置いても、心の底から先生だけを、愛しているし。

先生だけを溺愛していると言っても、過言ではないほど、ものすごく愛しちゃっている。

先生が私を愛している以上に、「私のほうが先生を愛してるよっ!」と、胸を張れるぐらいに、先生を愛しているケド。

(びっくりして驚くのは、無理もないとしても、さぁ……)

それでも。

私だって驚いて、こんな状態だから、その気持ちは分からなくもないんだケド。

よりにもよって、こんなときに。

何も、愛する妻の前で。

(そんなに「やっちまった、どうしよう!」的な態度を取らなくても……いいんじゃないの?)

もう、本当に、この人は、毎度のことながら……。

(――…ホント、どうしてくれよう)

呆然としながらも、衝撃にうなだれる愛しい夫の姿を見つめ、望美は。

――…マジで、途方に暮れていた――…。



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