もう声は聞こえない…


ノラは立ち止まり目を閉じた…


あの言葉が脳裏に浮かぶ


【一生懸命…

 後悔しないよう頑張って…】


ノラは覚悟を決め…オバサンの部屋に戻った


  「おはよう!」


オバサンはいつもの笑顔で出迎えてくれる…

僕がどこに行ってたかも聞かず…

たぶん…全て解ってるから聞かないのだろう…


  「オバサン…」


   「何?」

オバサンは優しく微笑む

僕はゴクッと生唾を飲み込んだ…


   「あの…」


「何よ〜!?改まって…」


ノラは目を瞑り…

喉まで出かかった言葉を押し出した。



  「手術受けて!」



オバサンからは何も帰ってこない…

ノラは恐る恐る目を開き…顔を上げた


そこには…悲しみに満ちた表情を浮かべるオバサンがいた…


ノラは堪らず声をだす


「いや…だって…その…

いくら難しい手術だからって…諦めるのは良くないよ…それにノラも、そんなこと望まないよ…」