手術室に運ばれ…

それっきりオバサンは目を開けない…


僕のせいだ…


僕が…もっと早く病院に連れていってれば…


家を出なければ…


人間にならなければ…


後悔ばかりが頭をよぎる。


これでは何の為に…人間になったのか…


ノラは頭を抱え込んだ…



   コンコン。


ドアがノックされ

白衣に身を包んだ先生が入ってきた


 「息子さんですか?」


 「はい…そうです」


先生は続けた


「今…お母さんは大変危険な状態です。この2〜3日が山でしょう…
遺族の方達に連絡しといた方がよろしいかと…」



ノラは泣きだしそうな顔で先生に問い掛けた


 「死んじゃうの?」


「それは…今の段階では…なんとも言えません。
私も最善は尽くします!」


ノラは黙り込み…

オバサンを見つめた…



  大丈夫だよね?



 死ぬわけないよね?


僕は胸の中で…何度も…何度も叫び続けた