「オバサン!しっかりして!オバサン!」


ノラは無我夢中に背中のオバサンに叫び続けた



「オバサン!大丈夫だから!すぐ病院に着くから」



ノラは…慌てる気持ちを抑え…冷静に対処する



「すいません!病院まで…病院まで連れていってください!オバサンが…」


言葉を詰まらせながらも…
近くにいた車に声を掛けて回る…


しかし…

誰一人…乗せてはくれない…


背中で苦しむオバサン…


息が荒くなり…


顔色も、どんどん悪くなる…


もう時間がない!


僕は覚悟を決め

背中にオバサンを担いだまま港から飛び出した



「オバサン…もう着くから!もう大丈夫だからね!」


オバサンは軽く微笑み…眠るように目を閉じた


それから1時間ほど走り回り…
病院に辿り着いた。