「お兄さんの事…なんて呼べば良い?」


ノラは躊躇いながら答えた


「ノ…ノラで良いよ。」



オバサンは一瞬…固まり


「じゃあノラ君ね!」


と笑って答えた


「ノラ君…家族は?」


  「いません…」

…オバサンの顔が悲しみに歪む

「え…ごめん。
 
嫌な事…聞いちゃったね…」


「そんな事ないよ!
ずっと一人だったから…

もう慣れっ子だよ」


「そっか…オバサンと同じだね…」


   「え…」



「オバサンの…家族…

皆いなくなっちゃったんだ…」


オバサンの目に涙が溜まる


ノラは恐る恐る…写真を指差す


「あの…男の人は?」


「去年…いろいろあって離婚したの…

メグの事でね…」


オバサンは引き出しから1枚の写真を取り出す