「………取りあえず。俺は此処では魔法はあまりできない事になっているから」
じゃ、と去っていこうとするロイをユトアが鷲掴む。
「何逃げようとしてるんですか?ロイ」
「……ですよねー」
あきらめてもといた場所に座る。
その顔には『めんどくさい』や『もうヤダ』など、やらなければよかったといった感情がありありとうかんでいた。
「……あのよぉ」
いくらか回復したガイがおそるおそる……というより、諦め半分で訪ねた。
「俺授業あるからかえっていいか?」
「ええ、かまいませんよ」
「駄目だ、いてくれ」
「…………ですよねー」
ロイと同じ事をいったはずなのに、妙に重い。
それは関係ないのに必ず自分にとばっちりがくるとわかっているからだろう。



