首都シネアリアの隣の都市『エイリス』に建つギルド総本部、通称『本部』は本部ギルドに登録した者でないと依頼を受けられないのだ。
そしてその登録の試験資格がAランク以上。
勿論登録していない者もいが、ほとんどの者は普通試験を受ける。
本部のギルド員という肩書きはかなりの強さをあらわす、ブランドのようなものなのだ。
そして同時にその試験を受けられるAランクを持つ者は、本部ギルド員を目指す者の多いこの学園の生徒にとってあこがれの的である。
面倒事を起こすなといった後のユトアの発言に、ロイとたいしてかわらないじゃないかとガイは思うのだった。
そんなガイと騒ぐ生徒達を尻目に、ロイはさらっと爆弾発言をかます。
「ロイ・エディア。魔法はあまり得意ではない」
ガイはぎょっとした顔でロイを凝視し、生徒は一瞬静まったあとざわめきだし、ユトアは大きく目を見開いた。
そして、落ちこぼれ宣言をしたロイは。
他人の心も知らないで、楽しそうに目を輝かせていた。
それを見たユトアが猛烈に怒ったのはいうまでもない。



