依頼を受けて褒賞金を稼いだり、依頼を頼んだりするのが『ギルド』
そしてそれに登録して『ギルドランク』という自分の実力を表す称号の様なものをもらうと、はれて『ギルド員』となって依頼を受けられるようになる。
さて、この部屋にいる少年二人は、その中でも高い、『帝』と呼ばれるギルドランクXXX(スリーエックス)と、唯一ひとりしかいない、Zランク保持者なのである。
「まずは二人とも、急に呼び出してご免なさいね」
女性が大きな執務机に頬杖をつきながらいった。
「本当に随分と急だったな
どうしたんだ?こんな朝から」
今の時刻は8シアン。どこかの世界の単位でいうのなら、午前8時。
いや、正確には午前8時10分。この世界―――キリアードでは大抵が大雑把だ。
例えばお金。
とある世界の国では硬貨と紙幣合わせて七つにも分かれているが、キリアードでは合わせて四つにしか別れていない。
そもそも紙幣は最近までなかった。
一番大きいのが金貨。そしてコードと呼ばれる紙幣をはさんで銀貨、銅貨となる。
金貨は、言うならば約十万円。コード紙幣は約一万円、銀貨は約千円、銅貨は約百円というところだろう。
約がつくのは本当は細かい端数がつくためだ。