ここに来た時のことを思い出せるだけ話した。

「それで、ここに来たって訳か…
どう思う?サラ。」

「あり得ない話でもないわ。聞いたことあるんだけど、元の世界に帰るためにはある宝石を手にして、お願いしなければいけないって。」

良かった、帰れるんだ。

「で?その宝石ってのは?」

リュウの言葉を繋げるようにしてサラが続ける。

「それは、あの森にあるのよ…奥の奥に…。
だから彼女一人で行かせられないわ。」

「それぐらい大丈夫だよ。一人でいけるよ。」

これ以上迷惑はかけられないと思って言ったつもり

だったのに、

「てめぇは死にてぇのか!?」

「そ…そんなんじゃないけど、自分のことぐ
らいなんとかするし」

「自分の命を大事にしねぇヤツは俺は大嫌いだ!」

そう吐き捨てて、ドアを勢いよく閉めて外に行って

しまった。

おかげで耳がキンキンして仕方がない。

何よ…あんたに私の何が分かるってのよ…。