プロローグ



生きる意味って何?

静かな室内に煽られたカーテンがふわりと宙を

舞った。

光を吸収してさらに眩しくなった白が自然と、

目を細めさせた

ここは病院。

ベッドの上に座っている一人の少女がいた。

少女の名前は瀬川 凛(セガワリン)。

彼女は幼少の頃から病弱で、ほとんど外に出

た事がなかった。

そのためか彼女の容姿は健康的、というには

不十分さを感じさせた。

生まれつきの栗色の髪、陶器の様に透き通った

白い肌、今にも折れてしまいそうな華奢な体つ

き。これらは西洋の人形を思わせると同時に、

彼女が健康的だということを否定しているかの

ようにも思われた。