「?まぁええわ。今日俺んちこやん?」

「?朝行ったやん」

「いや、夜の話。今度オトンが帰ってくるから久しぶりに晩飯一緒に食わねー?」

「え?!おじさん帰ってくるの?行く行くー!!」

音羽のお父さんは忙しい人で、世界中を転々としている。
何をしているのかは、詳しくは知らない。

音羽自信もしらないらしいしね...。

「おー。ほな、オカンにいっとくわー」

「晩御飯の用意手伝うっておばさんに伝えといて」

「りよーかいやぁー」

こいつ、そろそろひらがなばっか使うクセどーにかせんとなー。

「あんたって、ホンマにアホやんなー」

しみじみとうなずく。

「いきなりなんやねん!傷つくわぁー」

「お二人さん?仲えぇのはわかったから席つこか?もう授業始まってるで?」

さわに声をかけられて二人とも我にかえる。

「「 あ...」」

アハハハハハハハ

クラスの人たちから一斉に笑われてしまった。
恥ずかし...。


―その日の夜―

「あら、小夜ちゃんごめんなさいねー。お客さんなのに手伝ってもらっちゃってー」

「いやいやー。こちらこそご馳走になるんやもん!ちゃんとお手伝いせなな!」

美味しそうな料理がのったお皿を次々と机へと運ぶ。

「あー。やっぱりもう一人頑張ればよかったわー。女の子も欲しかったわー」

「うちをおばさんの娘やと思ってえぇよ!」

「あら、本当に?嬉しいわぁー」

みなさん、なぜ音羽のおばさんは関西弁やないの?
とか、思ったんじゃありませんこと?

実は音羽のお母さんは東京の人なんだよー。
嫁ぐ時にこっちにきたんだってー。

東京って、なにげに憧れるよなー。