「阿達に変なのがくっ付いてたね?」
「ほお?」
龍市の言葉にパンを頬張りながら答える一月。
それを見た龍市は苦笑いをしながら、コーヒー牛乳のパックにストローを刺した。
「ねぇ、阿達さんがどうしたの?」
「はい?」
「授業中も阿達さんのこと言ってたじゃん?」
コイツはまったく・・・。
龍市は思わずコーヒー牛乳を吹き出しそうになった。
コーヒー牛乳をなんとか飲み込み、一月を見る。
「ヤキモチ?」
「違うよ」
「俺が女のこと話すからヤキモチ?」
「しつこい!」
自分達以外、屋上には誰もいない。
だが、校内に微妙には響いただろう。
その大声に肩を揺らす龍市。
一月は自分自信の予想外の行動に赤面していた。
「一月、本当に可愛いんだけどッ!」
「龍市、煩い!」
一月は手に持っていたパンを龍市の口に押し込んで龍市を睨む。
そんな真っ赤な顔で睨まれてもなぁ・・・。
押し込まれたパンを飲み込んで、「ゴメンゴメン」と謝る。
「俺がなんでお前にヤキモチなんだ」
「俺のこと嫌いなの?」
龍市の質問にポカンとする一月。
だが、すぐに微笑した。
「好きだよ」
今度は龍市が赤面する番のようだった。


