昼休み。
一月の周りには相変わらず生徒が一杯いる。
・・・のかと思ったが、一月の机には一月本人と龍市しかいなかった。
「一月ぃ、屋上行こうぜ?」
「あぁ、そうだね」
そう言って二人は教室から出て行った。
そんな二人を目で追っていると、目の前でパンッと手を叩かれた。
「あ、紗耶香ちゃん。もしかして、一月が気になる感じ?」
「嘘ッ!マジで!?」
美月と蘭が声をあげるので、紗耶香は思いっきり顔をしかめた。
「はぁ?・・有り得ない。あんなヘタレ」
「ヘタレ?まぁ、微妙にあってる」
クスクスと笑う二人。
紗耶香はバックから弁当箱を取り出し、机に置いた。
美月と蘭はそれを見て、
「え?手作り?」
「スゴイ!」
騒ぎはじめた。
面倒だなぁ・・・。
そう思う紗耶香だが、褒められて悪い気はしない。
「こ、これぐらい、普通でしょ?」
少々、胸を張ってみる。
「もし、良かったら、明日から二人のお弁当作ろうか?」
「「え?」」
二人がキョトンとする。
そして、自分達の昼食を見てみた。
購買で買ったパンと購買で買ったジュース。
「マジ!?」
「よろしく〜」
「じゃ、明日から持って来るから!」
紗耶香は再び胸を張った。


