数学教師は授業再開不可能の状態になっている。
この教師をここまでにした本人達は平然としている。
数学教師の口から何やら白いものも見える気もするが、龍市はそんな数学教師を見つめながら、先程のことを思い出す。





それは、数分前。


「ふ、二人共、正・・・解・・・」

数学教師は唖然としながら、黒板に綺麗に並んだ数列を見つめた。

・・・二人共、これで席について、静かにしていれば良かったのに。

二人の無自覚な精神的攻撃が始まった。

「いや、これが難問と言われても・・・」

まず、一月の言葉で数学教師の心にグサリ。

「これぐらいなら、作れますよ?」

次に、紗耶香の言葉で再びグサリ。

そして、最後に・・・。

「「先生、簡単でしたよ」」

グサグサッ!
痛そうな精神的攻撃を受けて数学教師の口から白い物体が見えた(ような気がした)瞬間だった。