「どういう意味?」
穏やかな笑顔が逆に怖かったりもする。
だが、一月自身は笑顔のまま龍市の肩に手を置いている。
「だって、その子も俺達と同じだからだよ」
「『超能力者』ってこと?」
コクリと頷く一月。
龍市はチラリと紗耶香を見てみる。
見るからに動揺している。
龍市はため息をついて苦笑いをした。
「一月が言うなら・・・」
と、言いながら、紗耶香を一度睨みつけた。
関係のない美月と蘭まで体を震わせていた。
「おいで、阿達さん」
一月が紗耶香に手招きする。
龍市は先にどこかに行ってしまったようだ。
・・・いつも、気づいたらいたり、気づいたらいなかったりするな・・・あの人・・・。
なんて思いながら、一月の後ろについて行く。
一月は訓練場から出て行く。
そして、着いた場所はさっき出てきた訓練場と同じ作りの場所。
「ここは俺達専用の訓練場だよ」
「・・・だから?」
変な顔で一月を見る。
だが、いきなり肩に手を置かれた。
予想はついた。
榑林龍市だ。


