はあ、とため息をつくと誰かにぶつかる。 「痛っ。亘、痛い」 前にいた男の子、ソウちゃんが振り返る。 ソウちゃんは私と頭一個分ぐらい違う。 なぜなら私は160cm。 ソウちゃんは135cmよりちょっと高いぐらいだからだ。 「ごめんね。小さくて見えなかったの」 わざと語尾にハートをつけるように言う。 ソウちゃんは身震いするようにブルブルする。