結局俺はハルヒの誘いを断りきれず祭りに行くことになった。
行くことになったといっても学校帰りに寄るぐらいの気分だから制服は着たままだ。
制服を着ている人は少なくてけっこう周りからは浮いている。
「やっぱりよ…。華がないよな!」
しばらく黙っていたハルヒが突然口を開いてそんなことを口にする。
「なんだよ、いきなり…」
「野郎2人で祭り…女の子がいないと華がないって言ってんだよ!」
熱弁するように言うハルヒの話を軽く受け流す。
俺の態度に「冷たい」とかギャーギャーいいながら道を歩きながら可愛い女の子を探している。
そんなハルヒに多少呆れながら俺は淡々と道を歩く。
「おい、秀哉!」
思いっきり肩を叩かれて呼ばれる。
叩かれた箇所が痛くて仕方ない。
「あの子!リンゴ飴買ってるポニーテールで水色のワンピース着た女の子かわいくねっ?」
「あぁそうだな」
異常な程までに高くなったテンションについていく気もなく、ハルヒに言われた女すら見ないで前に進む。
「え、ちょっと!秀哉くん秀哉くん!女の子こっち見てるよ〜」
「俺がかっこいいからか!」と間抜けな発言に聞く耳はたてずに、そんなわけないだろうとハルヒに言われた方を見た。