飽きてきた。
ただ一言それだけの話。
最初はなにもかもが輝いて見えた高校生活が今じゃその一言。
別に嫌いなわけじゃない。
似たようなことを繰り返す毎日は、もうぼんやりと滲んでしまっている。
窓際から二列目の一番後ろの席。
そこから見える教室の風景だって対して変化しない。
彼女でもできたら変わるのかな、なんてつまらないことを何度も考える。
でもその考えはすぐに泡となって消える。
それを繰り返す。
未だに諦めきれない片思いの相手が頭に浮かんでしまうから。
「秀哉ー!今日行けねーの?」
「おう。金ねーもん」
「秀哉行けなかったら俺行くひといねーじゃん!」
「そんなの知るかよっ。準たちと行けばいいじゃねぇか」
「あいつらは彼女行くらしいからよっ!」
拗ねたように言うハルヒはおまえだけが同族であると言うような目で俺を見る。
高校に入ってすぐに仲良くなったハルヒ、準、夏希、それに俺を合わした4人のうち、準と夏希は彼女持ち。
彼女がいておかしくないと思うから俺もハルヒも納得してしまっている。
ただハルヒは羨ましくて仕方がないみたいだ。
俺にもハルヒにも彼女ができない理由がわかってしまうから変な感じだ。