伊「これで少しは広くなりましたわ」

桜「そうですね」

なんで私はこの人に絡まれてるのかな・・・。

土「おい、桜。ちょっと来い」

そこに天の助けとでもいうように現れた土方さん。

桜「はい。それでは伊東さん。また後ほど」

私は作ったような笑顔でそういうと、土方さんを追いかけた。

桜「土方さん!何かありましたか?」

土「いや。お前、顔引きつってたぞ」

桜「え・・・」

土「まぁ相手はアノ人だ。しょうがない。お前は加えてアノ人の悪事も知っているからな」

土方さんは地味にひどいことを言いながらも歩き続ける。

土「アノ人が離隊するのは確かだろうな。尊王攘夷派の坊主たちがいるここに屯所を移せるくらいだからな。お前の情報通りになるだろうな」

まっすぐ前を見てきっぱりと言い切る彼。

どんな時でも揺るがないその瞳を私はじっと見つめた。