桜「・・・そんなに私を殺したいのかな・・・?」

つい自嘲的になってしまう私。

込み上げてくる涙をぬぐうため、足を止めた瞬間、後ろから物音がした。

しまった!気配感じなかった!

やばっ!捕まる!

そう思って走り出そうとしたけど、時すでに遅し。

腕をひかれてバランスを崩した私をその人は優しく抱きしめてくれた。

あぁ、この匂い・・・。彼の匂いだ。

何度か抱きしめられたことがある私にはわかる。

?「なんで勝手に出てくの?」

桜「・・・別に、理由はありません」

?「じゃあなんで泣いてるの?」

桜「泣いてません」

私は泣き顔を見られないように俯いたままそう答えた。