テレビのチャンネルを変えながら、
真朱のシャワーが終わるのを待つ。
浴室のドアの開く音を聞くと、
バスタオルを持って浴室へ向かった。
ドアを開けた途端、
鏡越しに髪を拭く真朱と目が合った。
腰にバスタオル一枚の姿だ。
「超級の美男子…」
「はぁ?」
「加奈が言ってた…」
「まぁ、間違っちゃいないかな。」
真朱はフェイスクリームを塗ると、
何だか満足そうに鏡を見た。
「ふうん、変なの…」
-AVRIL 20 (Ven)-
朝起きてリビングに降りると、
テーブルに朝食と書置きがあった。
<朱乃へ
オムライス食べて今日は学校行けよ。
夜はパスタ作ってやる。
超級の美男子 真朱より>
(一昨日に続いて、
またも被害者が出ました。
本日午前五時頃、
余山市二丁目路上にて女
性の変死体が発見されました。
余山警察は連続殺人事件と見て、
捜査を続けています。)
「二丁目って…」
余山市余山二-三-五、我家の住所だ。
ぼーっとオムライスを食べていると、
いつもの様に玄関チャイムが鳴って、
鍵が回る音がした。
「朱乃、上がるよー。」
「加奈、お早う…」
「ニュース見た?
お、丁度やってるじゃん!
二丁目ってこの近くかな?」
「今日授業、あるのかな…?」
「連絡網とか来てないし、
通常通りじゃない?」
「そう…」
私は少しがっかりしたけど、
真朱に散々念を押されているから……
今日は、学校へ行く。

