家へ戻って荷物を置くと、

着替えてまた直ぐに家を出た。

爽との待ち合わせ場所へ向かう途中、

昼休みの話を思い返す。



「あ…あのさぁ俺、
 気づいた事があんだけど……
 この事件って繋がってねぇか?」

「はぁ、どういう事?
 もっと分かり易く言いなさいよ。」

「ニュースを見てて思ったんだけど、
 五丁目の人が一丁目で発見されて、
 一丁目の人は二丁目で発見された。
 最後の被害者は二丁目の人で、
 発見されたのは三丁目。
 って事は、次の被害者は……」

「三丁目の人…?」

「偶然かもしれないでしょ。」

「でも可能性はあるだろ?」

「確かに…」

「なぁ?賭けてみる価値はあるぜ。」

「あたし今日はパス。
 行くなら二人で行ってらっしゃい。」


ファーストフード店で

爽の向いに座った私は、

不安を隠す為ストローに口を付けた。
 

「心配すんなって!
 水野は俺が守るから。」

「うん…」


勢い良く飲んだ炭酸飲料が、

やたらと喉を刺激する。

咳込む私を見て、爽が笑った。


「驚いたか?
 ま、頼ってくれていいって事よ。」

「うん…」


少し強気に言い放った爽もまた、

炭酸飲料にむせ返ったのだった。