きみを好きになる瞬間


でも記憶の片隅にある、かつての淡い日々の小さい頃の私と結生。

現在の私とはまるで正反対な弱々しくて泣きそうな顔をしてる幼い頃の私、無表情なのに切なげに見える結生の顔。



この時、何か約束をしたんだ。
なんだっけ。



なんだったっけ……



必死に思い出そうとしてる中、結生によって遮られる。



「じゃあ、帰るね」



すっと立ってドアノブを握る結生。
微笑して私を見た顔は、

まるで悪魔のように見えた。