****side:rintarou****

坂本・・・。マジ強ぇー。

心からそう思う。

翔央(男子ハンドボール部のキャプテン)と歩いていた俺は、翔央に話しかけた。

「なぁ。」
「うん。俺も倫に同意。」

翔央も同じだった。

「あいつは、すげーよ。」

すると、翔央の目の色が変わった。

「倫?お前…気づいてんのか?」

翔央の発した言葉の意味が俺にはさっぱりわからなかった。

「なにがだよ」
「お前が、なぜ可菜と別れたくなったのかってこと。」

…こいつは、俺になにがいいたいのだろうか?

可菜は、俺が2ヶ月前まで付き合ってた女。俺からみて1つ年上だった。

俺らは人の声を耳にした。

この声は…

羽衣…

胸の奥が苦しくなった。



****side:ui****

その夜、アタシは狭山家の家族と葬儀場に泊まった。

そして、皆さんにお願いした。

「お願いします‼狭山家に住まわせて下さい‼」

愛海さんは、微笑んで

「そう言ってくれるのをずっと待ってたわ。」

と言ってくれた。

悠介が、ほーらなという顔をしていた。

「一緒にくらしましょう!羽衣ちゃん」

アタシは嬉しくて泣きながら

「はい…‼」

と返事した。

愛悠良は、喜んで暴れ回った。

…ママ。アタシ、ここで幸せになれそうだよ。