上辺だけの友人関係、

信頼できる人間なんて

この学園にはいない。

私の周りに寄って来る人間は全員敵。

信頼できるのは自分と爽だけ。

そうやって今までの学園生活を送って来た。



「…?…様?…爽世様?」



爽の私を呼ぶ声で我に返った。



「爽世様、どうかしましたか?」



車のドアを開け、心配そうにこちらを見つめる爽。



「いえ、何でもないわ」

「そうですか。でしたらどうぞ。」

「ええ、ありがとう。」