好きじゃないよ

……ちくしょー。

こんなんだったら断れば良かった…。

バカバカバカ。
先生のバカ。
ぶりっ子じゃねえんだよアタイはっ!

……目の前に立ちはだかるプリントの束。

コレを重ねてホッチキスで…

「うわああ!だりー!!」

何がホッチキスだよ。

苛立ちながらホッチキスを机に雑に置く。

"キス"とかふざけなんなよアホーっ!

私にキスなんてするアホいねーよバカたれ!

「彼氏できるかなぁ〜♪」なんてワクワクしながら入学したのに、友達すらできない状況。

じーっとホッチキスを睨む。

……。

「ご、ごめん…ホッチキスちゃんは何も悪くないよね…」

そんな名前をつけたのは私たち人間なんだから。

てかネーミングセンス無さすぎでしょ。

私だったら…"ホッチカチ"みたいなもっと可愛い名前をつけるのに…。

よし!

ホッチカチちゃんに手を伸ばす。

気を取り直して頑張ろ…う…!

う………。

「ホッチカチちゃんごめんっ!トイレ行ってくる!やべ、漏れそう」

机に一人寂しく置かれたホッチカチちゃんに声を掛けて凄い勢いで教室のドアを開ける。