「担任以上に話してやるから任せろ! ――アイツを焦らせてやる。」 植田ってただで転ばないタイプだね。 ゴンゴンゴンゴン… さっきより雑に、頻繁に、ノックの音が響く。 「陽崎先生、何でドアの前に立ったままで鍵を開けようとしないんですか?」 「なぁ、優。」 わざとらしく陽崎先生は声を上げて話す。 まるでドアの向こうに居る人物に聞かせるように。