「正解です。仲道さん。頑張りましたね。」
私はやっぱりこんな先生の言葉も上の空で聞いていた。
「仲道さん?」
「あ、はい!問題ですね!?」
「もう一問解いてくれるのですか?
私は席へ戻るように言おうとしただけなのですが……困りましたね。」
「先生の鬼!!」
私の言葉でクラスの皆が笑った。
「仲道さん、優しく指導してあげますから…昼休み職員室に来てください。」
良いなーという声は上がらない。すでに私が雑用係であることをクラスの皆は知っているからだ。
私は植田をチラッと見るとハイハイという感じで手をひらひらさせていた。


