「いい?月野君。 あなたは尊敬の憧れを恋の憧れと間違っているだけよ。 ――教師としてこれ以上のほめ言葉はないわ。とっても嬉しい。ありがとうね。」 梁縞先生に俺はこうしてフラれた。 この返答を聞いて俺は永遠に彼女が俺を好きになることはないと悟った。 重い足取りで教室へ向かう途中。 あまり使われることのない準備室から泣き声が聞こえた。 少し気になり歩をドアの方へ進める。 「好きなのっ!陽崎君……好きなの!」 ―――先生の声だった。