私は走った。 浴場は広間を抜けた階段を下に降りれば着く。 「お、優。そんなに慌ててどこ行くんだ?」 正面から陽崎先生が歩いてきた。 ここはまだ広間に抜けるまでの長い廊下。道は狭いけれど、2人くらいなら通れる幅だ。 私は陽崎先生を無視してスピードはゆるめず通り過ぎようとした。 が、 「待てって。どこ行くんだ?」 「は、離して下さい!」 今はそれ所じゃない。