蝉の声があちこちに聞こえる8月。 「お母さん、お父さん行って来ます!」 夏休み。 部活の合宿がある。 「行ってらっしゃい。あら?それは?」 お母さんが私の手に持っているものを指差した。 「あぁ…お隣の竹垣さん達の晩ご飯。今日の分だけ朝早めに起きて作ったんだ。」 「あら……優が居ない間は任せて。私のプライドにかけて頑張るわ!」 竹垣さんのことは両親共に公認済みである。月野先生のことは言ってないけど。