「陽崎先生はいらっしゃいますか?」 職員室の扉をノックして言った。 「陽崎先生なら月野先生とどこかへ行きましたよ。」 陽崎先生に楽器のメンテナンス品の買い忘れの紙を渡そうと思っていたけど、どうやら渡せないみたいだ。 こんなことなら朝に渡せば良かった。いや……それ所じゃなかったし……昼練だって……先生何かに悩んでたし…… と、うだうだ言い訳が次々に思いついていく。