奈津は微笑むと、
「律人と一緒だったらどこでもいいよ」
と、言った。

以前の俺だったらめんどくさがってただろう。

そんなテキトーな答えいらないと思っていただろう。

でも、奈津だと違う。

俺も、奈津と一緒だったらどこでもいいって思ってしまった。

デートって、こんなにも楽しいものだったんだなあ。

そう思いながら、俺は何個目かのサンドイッチに手を伸ばした。


デートもいよいよ終盤。

気がつけば、もう夜だった。

「律人、観覧車乗ろう」

そう言った奈津に、
「おう」

俺は返事をした。

最後にと、俺たちは観覧車に乗った。